小さな力を増幅して大きな力にする「てこの原理」について、公式を使った距離の計算や応用例などについて説明します。
てこの原理とは

てこの原理について説明します。
てこには支点・力点・作用点があります。
例えば、上図のような重い箱を板で持ち上げるのをイメージしてみてください。
このとき、支点・力点・作用点は、
- 支点:板を下から支えている点
- 力点:力を加えている点
- 作用点:板が箱に力を加えている点
のことです。
支点~力点の距離を長くすればするほど、小さな力で重い箱を持ち上げることができるのです。
てこの原理の公式
てこの原理がわかったところで、てこの原理の公式を見てみましょう。

=支点~作用点の距離
=作用点に加わる力
=支点~力点の距離
=力点に加える力
この距離×力のことを「力のモーメント」といいます。
つまり、てこの原理は力のモーメントの釣り合いを表しています。
てこの原理の計算
次に、てこの原理の公式を使って、距離や力の計算をしてみましょう。
例えば、支点~作用点までの距離、作用点に加わる力
とします。
これは箱の重さが30kgということです。
このとき、支点~力点の距離 だと、力点に加える力
となります。
支点~力点の距離を長くして倍の にすると、力点に加える力
で箱を持ち上げることができます。
これをてこの原理の式で見てみると、
という関係式が成り立っています。
力点に加える力を小さくしたければ、支点~力点の距離
を長くすれば良いことがわかります。
極端ですが、支点~力点の距離 を600cmにすれば、力点に加える力
は1kgですみます。
てこの原理の応用
てこの原理を応用した道具は身近にたくさんあります。
例えば、バールと言われる工具は、釘抜きや重いものを持ち上げるのにてこの原理を使っています。
後は爪切りなども、少し複雑ですが、てこの原理を使って楽に爪を切れるようになっています。
支点~力点の距離が支点~作用点の距離よりも長くなっているので、より小さい力で大きい力を生み出しています。
他にもシーソーや、はさみ、缶のふたなどてこの原理を利用しているものはたくさんありますので、身近なものでぜひ探してみてください。
以下のNHKのサイトでは、三輪車、自転車、ミニバイクをてこの原理を使って持ち上げる様子や、バールを使って釘抜きをする様子を動画で見ることができます。

てこの原理のまとめ
今回は、てこの原理の説明をし、公式や計算、応用例などについてもご紹介しました。
思っているよりも、てこの原理を使っている身近なモノはたくさんやあります。
てこの原理を知っておくと、重いものを持ち上げるときに役に立ちますので覚えておくと良いです。
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